「………お父様?私。櫻子」


街路樹に背を預け、ネオンを浴びる椿野は黒髪を押しのけ、耳に長方形の箱をあてていた。


「………ごめんなさいけど、家のものを迎えに出してくれない?ああ。ありがとう………あ、ちょっと待ってほかにお願いがあるんだけど」


くすりと椿野は微笑し、


「私にも、執事をつけてくれないかしら?」