「あっそれ困るかも………」
「だったらさ~。俺と付き合ってくれるか、金よこせよ」
「へっ!?いや私お金ない………」
「だったらつきあってもらおっか!カラオケにでも行く?」
安そうな指輪を付けた汚い手を鷹司の腰にまわす。
かっと本気で頭に血がのぼった。
白い頬を赤に染め、椿野は財布を取り出し数枚の札を突き出した。
「いくら欲しいの!?」
「あるだけ全部………」
調子に乗った男が好き勝手に値段を取り付けていると、勢いよくカフェのドアが開かれた。
ばきっと嫌な音がしたということは、それほどすごい力だったということだろう。


