少ない窓から入る光がさらに減少する。
頼んだコーヒーも湯気を立てるのを疲れたのか、冷たい液体になっていた。
気づくことなく、じっと椿野は鷹司の働きぶりを観察していた。
椿野の時とは大違いで、元気よく挨拶をし、明るい笑顔を振りまいて男たちを惚けさせていた。
時たまちらりと椿野を見るが。
もちろん華麗に無視をしていたが、表面だけの強がりだった。
思ったより真剣に仕事をしていた鷹司に、ちょっぷり感嘆をもらす。
そんなに引っ張るわけじゃない椿野はとっくにコーヒーと同じく。熱を失っていたのだが、あちらはまだ熱々だと勘違いしてるらしい。
たまにはいいだろう。
ちょっとは反省させないと。


