貧乏お嬢様と執事君!



親友だからこそ心配して。


心配するから親友なんだ。


必死に椿野が秘密を守っているというのに


本人はそんなこと気にも留めず、世間に貧乏でーす!と叫んでいる。


腹立たないことがあろうか。


「………勝手に信用できない輩を家に入れるわ、堂々とバイトしているわ………私の苦労は、貴方には届かないのか」


「へっ?何て言ったの?」


「………なんでもない。ほらっ早く注文入れてきて!」


追い払うしぐさをする椿野に困り顔をしつつ、厨房へと駆け込んだ。