「あんたねぇ。ゼフィール学園のお姫様って立場分かってる?分かってないでしょ」
鷹司 沙良は学園一のお嬢様。
大手企業会社の娘。
外交官の妹。
根も葉もない噂が鷹司に現れたのはいつごろかは忘れた。
だが、その噂と成績、美貌と性格でゼフィールの生徒と受け入れられている鷹司の、本当の家がばれればどうなるだろうか。
なぜ、あんな貧乏人が入れるの。
外面がいいだけじゃない?
嫉妬と自分とは違う畏怖の対象に入れられるのは間違いない。
椿野は可哀そうなうそつき羊が痛い目にあってきたのを何度も見てきた。
だからこそ、鷹司の弱点の『貧乏』を誰にも知られたくないし、情報が漏れないように手まわしもさせてもらっている。


