「………なにしてんのあんた」
「あっあれ………?なんで櫻子がいるの?」
こっちが聞きたい。椿野はメニューを荒く閉じる。
「何してんのって聞いてんのよあんた」
まだ呆けモードに入っている鷹司を睨む。
「えっ見てわからない?………バイト」
わからないバカはお前ぐらいだ、と椿野の歪んだ顔から読み取れた。
「分かってるよ。だ・か・ら!なんでバイトなんかしてんのって話」
怒気を含んだ声音に気づいてか茶色のポニーテールを揺らし、困惑顔をする鷹司に畳みかける。
「そんなにお金ないの?」
「ないわけ………じゃないし、あるわけでもない」
微妙な言い方をする鷹司に、もっと目を吊り上げる。


