貧乏お嬢様と執事君!



「しっ塩井さん!このご恩は一生忘れません!」


カイトは塩井さんの犠牲を胸に残し、店内へと駆け込んだ。


店内は塩井トークにずいぶんと人が流れていたという事実さえも塗りつぶすような人だまりだった。


カイトは参ったように眉をしかめる。


これでは豚ロースが買えない!


先ほどのように強行突破をしてボディブローを食らわされるのもお断りしたい。


カイトが突っ立ったままぼうぜんとしていると、勝利品の豚ロースを堂々と抱え、どすどすとレジに向かう主婦の姿を見かけた。


それを見て、カイトは恥も外聞もなにもかもを捨てる決意をした。


遠慮がちにその主婦のそばへ移動する。