貧乏お嬢様と執事君!



「沙良!起きなさい!」


「後34分58秒………」


「なんでそんな微妙なの………起きなさい!」


「後41分32秒………」


「………もうっ!」


苛立った椿野は、抱き枕にしている座布団をつかみ、上に引っ張った。


抵抗する鷹司。


だかそれをモノともせず、ずるずると足音荒く玄関に引きずっていく椿野に、カイトは恐怖を覚えた。


「さっさと立ちなさい!このまま引きずって行くわよ!」


「………わかったよ~」


鷹司は渋々座布団を離し、抵抗を諦めた。


椿野の完全勝利である。