「カイトー」
「はい!」
鷹司が使った皿や茶碗を干していると、自分を呼ぶ声を聞き届けたカイトはあわてて駆け寄った。
仕事をしていようが、お嬢様の呼びかけにこたえるのは執事として当然のことだ。
ノレンをくぐり、鷹司の姿を探そうとしたが、その必要はなかった。
「ちょっと後ろのチャック閉めてー」
白い今井つなぎの制服をかぶり、大胆にも背をぱっかりとあけた鷹司に、カイトは噴出した。
「おっお嬢様!なっなんちゅう恰好を!」
「だって届かないんだもん。止めて」
命令口調で言われても、それははばられた。
執事である前に一人の成人男性としてはこのミッションは難易度が高すぎる。


