貧乏お嬢様と執事君!



返答は小鳥のさえずりだけ。


カイトはため息をつきながら、鷹司の部屋へと足を向ける。


毎度毎度のことなのでその足取りは重い。


低血圧なお嬢様を起こすのがどれだけ大変か。


おでんにだしがしみこんでいくように毎日の生活の中で身にしみていった。


カイトは鷹司の部屋の前に立ち、最後の確認。


「起きてらっしゃいますかー?」


返答は静かに響いてくる可愛い寝息だけ。


またまたため息をつきながら、黄ばんだふすまをスライドさせる。


そこには部屋の真ん中で布団がドーム状になり、わずかに上下しているいつもの朝の光景が悠然と眠っていた。


かっこよくいっただけだが、布団にくるまって寝ているだけの光景でもある。