カイトは駆け回った。街中、公園、学校など鷹司が足を運び入れそうなところすべて。
だがそんなところにはいなかった。いてほしかった場所から探していくのは後で絶望と不安が募るだけだと学んだ。
カイトによく似ている男について行ったということらしいが、鷹司はどうしたのだろう。
すぐに人違いだと察したと思うが、無意識に足を運んだとなれば居場所が分からなくなることもあるだろう。
「あのお嬢様だからな………」
方向音痴っぷりはそれはすごい。
いい年こいて迷子かよ、とは絶対にカイトは思わない。
お嬢様すべてに好みを捧ぐと決めたばかりの人を罵倒する余裕もする気すらない。
「まさか誘拐………?」
気分が一気に悪くなった。
「………お嬢様」
吐き気をこらえカイトは移動した。
思い出の詰まる小さな小さな一戸建てへと。


