「そんなことより!はやくおじょ………沙良様を捜索に」
『貴方も来なさいって言ってるのよ』
「………無理です。由姫華様がお風邪をひきになられたので」
ちらりとうなだれている由姫華をみる。
はぁと向こうでため息をついた音が聞こえた。
『沙良がなんでいなくなったか知りたい?』
その質問にカイトは答えられない。
知りたいと言ったらうそになるが知ったらもう元には戻れない気がしてならない。
奥へ奥へ足を踏み入れて戻れないところに来て気づいても遅いのだ。
椿野はカイトの思いをあざけるかのように続けた。
『貴方に似たスーツ姿の男がいたからだって』
ほら、戻れなくなった。とカイトは自分を罵った。


