貧乏お嬢様と執事君!



「ししっしかし私は………」


もう帰れない、と彼女は言わさず


『沙良がいなくなったのよ』


衝撃的な事実をぶちまけた。


脳天に落雷がもろに直撃したかのような圧力がかかった。


「………今、なんと?」


言葉がうまく出てこないで何度も突っかかりながら言えたのはこれだ。


『沙良がいなくなったって言ってるのよ』


繰り返した椿野が息を吸う音が聞こえた。


聴覚などが活性化されていくようだ。視覚も超越されたようで由姫華がじっと見つめてくるのがよく見える。もともと2.0なのだか。


今すぐにでも探しに行こうと踵を返す自身が目に映った。


何をしているんだ、とその自分に問いかける。


仕えるべきお嬢様が病魔に体を蝕まれているというのに、人探しなんてやっている場合ではないだろうと。