貧乏お嬢様と執事君!



「お邪魔いたします………」


顔だけ覗かせながら入室したカイトに気づいていないのか、何の反応も返ってこなかった。


彼女はこちらに背を向けベッドの上に上体をちょこんとのせている。


後ろ姿から哀愁やものがましいオーラが伝わってくる。


いつもの由姫華ならあり得ない風格だった。


恐縮しながら


「どうかなさいましたか由姫華様………気分がすぐれないので?」


とたずねかけた。


由姫華は答えず、黒い髪をなびかせ顔だけをこちらへ向けた。


幾分か顔色が悪そうだ。風邪でも引かれたのかもしれない、とカイトは焦った。