貧乏お嬢様と執事君!



「私がそんな賭けにのるかと思っているの?」


きつい口調になってしまったため、掃除に熱中していたカイトが気付いた。


心配そうに眉を寄せるカイトを後目に、彼女は声を抑え


「どうせあなたのことなんだから、おかしなことでも考えてるんでしょ。その手にはのらないわよ」


『俺じゃねぇよ』


いやに真剣な声が返ってきた。


目じりが自然と上がる。カイトが睨まれたと勘違いし、掃除に戻った。


『沙良様からのゲームの申し込みだ』


沙良、と聞いてどんどん目がつりあがる。


「あら………あなたずいぶんとあの負け犬に情を寄せているようね」


『勝ち犬より負け犬のほうがだいぶか素直で可愛いよ』


にべもない言葉をさらりと吐き、とんでもないことを提案してきた。


『カイトを賭けようぜ。あんたら姉妹が惚れた執事が、あんたらのどちらかを選ぶ………勝敗は決まったようなもんだけどなぁ』