貧乏お嬢様と執事君!



「つらいけど………それがわたしたちだったから」


過去形で切なげに眼を細める鷹司に、レンは首をかしげた。


「だったからって………いいのかよカイトさんは」


「いいわけないじゃん。でもどうにもなんないし」


麦茶を啜る鷹司を放っておいて、レンは考えるしぐさを構えた。


煙草を揉み消し、煙で覆われた脳内を浄化した。


鋭く起動が早い思考回路をフル回転させている間に鷹司はメインのサバのみそ煮に手を着けていた。


うまそうに噛んでいる鷹司を前にすると大体の男は考えるのをやめ、目の前の美女に酔いしれるのだがレンは例外だった。ただじっと肘をつき黙想にふけている。


構想がまとまるまで数分の時間を要した。