貧乏お嬢様と執事君!



また鷹司はきょとんとする。


「カイトは諦めんのか?」


「諦めるとかの問題じゃないよ」


悲痛な感情を満面に出し、彼女は上目づかいでこっちを見た。


「カイトが行きたいって行っただけのことだし。そういう約束してるから」


ここでレンはタバコの煙を口内から吐き出した。


約束、ねぇ。


見たところあの二人はなかなかのパートナーだったようだ。言葉に出して決めたわけでもないのに二人だけのルールがあるらしい。大体その内容は手につかんでいるが、レンには不可解なものでしかなかった。


「相手に自分をどうするかは決めてもらうのは、つれぇだろ」


自分の決定権を捨てすべて相手にゆだねるのは最高の信頼のあかしだとは思う。


その分裏切られた時のダメージは倍だろう。


そして眼の前の美女は何倍もの苦しみを味わっている。