「………不味いか」
レンはむっすり食べている鷹司に訊いた。
むぐむぐとより合わせのおかずを機械のように口に運んでいる。
彼は他人のことなど気にかけたこともないが、自作した料理を無表情で食されると気になる。
突然訊かれた鷹司はゆっくり顔をあげ
「ううん。美味しいよ」
と微笑んだ。嘘ではなさそうだが、何か物足りないようだ。
「なんか前の執事とは味付けが違ったか?」
前の執事、に鷹司は小さく反応し、顔を伏せた。
箸をくわえたまま左ひじをちゃぶ台につかせ、木目を眺めた。
「う~ん………なんというのかな。やっぱし作る人が変わると味も変わるんだなーって」
正直に言い、また食事に戻った。
その通りかもな、と納得し自分のおかずに手を付けた。
塩が少し足りないようだ。


