レンは白い息を吐き、椿野の視線に合わせた。誠実とは言い切れない瞳だ。
何かが彼の本質を隠しているようで、本来の人間債がまったく見えない。わざと隠してるのか、何かをすることに夢中で取り外す余裕がないのか。椿野にはまったく見分けがつかない。
「俺はどっちの味方でもねぇ。おもしれぇもんの味方だ」
「………まったく、執事ってやつはどうしてこうも個性が強いのかしら」
彼女は吐き捨てるように言い、レンに背を向け歩いて行った。
その背をレンはきっちり見送る。
小さな背中がさらに縮小されていくざまを眺めながら
「まったく、どうしてボンボンってのはこうも性格がきついのかねぇ」
と皮肉交じりに呟いた。


