とぼける由姫華に軽く詰め寄り
「お嬢様を鷹司家に迎え入れるというお話です」
ああ、と興味無さそうに言葉を漏らした。カイトは若干いらいらしたが、顔には出さない。
「………そうね。そのつもりよ」
カイトはほっと胸をなでおろした。由姫華は約束は守る人だからだ。
それとその約束が実現すればまた鷹司と一緒にいられる。飢えに苦しむことなく共に生活ができるのだ。別に貧乏でもいいから傍にいたい。とにかく一緒にいたいのだ。
そんなカイトの考えをよみとったように由姫華は目をきつくした。
「お姉さまが帰ってきても口をきいたらだめよ。貴方は私の執事なんだから」
「………承知いたしました」
願いは儚く散ったが、鷹司が本来の家族のもとへ帰っていけるということだけでも胸はいっぱいになった。


