「そりゃあんた………じゃなくて沙良様」
レンは言い直しながら立ち上がり、鷹司に向って深々とお辞儀をした。45度の角度でぴったりだ。見ていてほれぼれする。
「貴方が私の新たな主人でございます」
「………え!?」
井筒と椿野の悲鳴が重なった。井筒は「あっ」という顔で椿野を見たが、ばつが悪そうに目をそむけられただけだった。
「………敬語はよして?」
「仰せのままにっと………」
堅苦しい雰囲気を消し、レンは座りなおしちゃぶ台に肘をついた。
「沙良………」
椿野が呼びかけたが、鷹司はレンを見据えたまま微動だにしなかった。


