「………分かんない。新しい執事が来るかもしれないしこないかもしれない………」
曖昧な返事をし、また黙り込んでしまった。
やはり不安なのだ。今までカイトにまかせっきりだったのだ。それはお嬢様として当然のことなのだが、今になって裏目に出てしまった。
「僕の所から執事をかりだそうか?いやメイドがいいかな………」
井筒が具体的な解決策をだした時だった。
「いや、メイドさんはやめといたほうがいいぜ?やっぱりイケてるお嬢様にゃイケてる執事がつくもんだ」
低く張りのある声音が玄関方面から聞こえた。
背を向けていた椿野が振り返ると、そこには見覚えのある端正な顔立ちをした男が柱に背を預けていた。長い赤髪が印象的だ。
「誰かしら貴方は。勝手に入ってきて勝手に意見を挟むのは」
椿野が警戒モードに入った横で、井筒は瞬きをした。
「確かどっかで………」
記憶の隅の記憶を掘り出そうと二人が必死になっている前で、鷹司は顔をあげた。
「………レン?」


