そんなところへかけて椿野が言うセリフは大体想像がつく。
想像がつくから故にそれは阻止せねばならなかった。
「だっ駄目だ!」
井筒は携帯をかっさらい、焦る指先で赤ボタンを押した。
「何をするのよ!」
椿野が目をいからせ携帯を奪い返そうとする。
だが押されたらすぐ逃げる井筒が今日は逃げなかった。
「鷹司さんはそんなこと望んでいないだろ!?権力で解決したら駄目だっ!」
弱気な井筒に強く注意され、椿野はふてくされた。
きっと椿野も無駄だと分かっていたのだろう。だが行動せねば落ち着かない思いは痛いほどに分かった。
「………それでどうする?貴方自分で家事できないでしょ?」
散らかった部屋を見回しながら椿野は次の話題へ移った。


