驚いた井筒が慌てて腕を突き出した。
「きっきっとあの執事にも事情があったんだと思うよ!実は鷹司さんのためだったりして………!」
カイトのことを弁論する井筒は出まかせではなくそう本気で思っていた。
ライバルでもありいやなやつだったが、鷹司を思う心を遠目で尊敬していた。
全ての行動は鷹司のためで、世界で一番彼女のことを考えていたのではないか、と自分を押しのけて評価していた。
そんな奴が、と井筒が口を再度開こうとすると
「事情があったとしても逃げたのは事実よ。私は許さないわ………」
椿野はピンクのデコ携帯を取り出し、どこかへかけ始めた。
「どっどこにかけてるんだい?」
「お父様」
椿野は耳に当てながらそっけなく言った。
お父様ということは椿野の企業の一番トップということだ。


