「あっああこれはね………」
椿野は好機でけがれない脳みそをフル回転させてこの状況からの脱出をもくろんだ。
「公園内の掃除よ!沙良が突然ボランティア精神に目覚めちゃって」
「へ~そうなんだ~」
ごそごそと目の届かぬ場所をせっせと掃除(小銭集め)している鷹司を、女子生徒は尊敬の瞳で見た。
椿野は単細胞でできているクラスメイトに深く感謝をした。
「それじゃあ私たちも手伝うよ!」
「え」
「鷹司さん見てたら地球をきれいにしなきゃ!って不思議と思えてくるんだー」
落とされた小銭を拾ったって別にきれいにならないと思うが。
椿野は作り笑いを浮かべ曖昧に言う。
「でっでも………」
「え?なにみんな。公園のお掃除すんの?」
無事、戦利品を大量にゲットして帰還してきた鷹司は不思議そうに今の状況に首を突っ込んできた。


