「というかなんでぼくが椿野さんとカップルで、鷹司さんとお前がラブラブなんだよ!普通逆だろ!」
あなたこそどこを突っ込んでるんですか、とカイトが言ったが気にしない。
「見る目がない庶民どもだな!普通カップルというのは美男美女がなるべきだろ」
「へぇ、美男?どこにいらっしゃるのやら」
わざと空のほうを見上げるカイトに、井筒は下から握り拳を固めた。
「嫌味か!僕の背が小さいことを指摘するいやみと、僕が美男じゃないというダブルイロニーか!」
苛立ったように井筒は金髪をむしる。
「男は背丈だけじゃない!」
「しかし背丈もいりますよね」
「まあそうだけども!」
「男は下を見ず前だけを見つめて歩いていく誠実な瞳を持っているものよ」
「もうお前は黙っておけ!………あっすいません、調子こきました」