「………で、何をしているの?」
学園のそばにある広々とした公園内の自販機前。
椿野はスカートを無視したまましゃがみこみ、自販機の奥の奥を見据えようとしている鷹司に問いかけた。
「いや、こういうところには小銭がごろごろ落ちてるもん………ってよっと」
言いながら、突っ込んだ手を引き抜き銅色の戦利品を眺める。
お嬢様のするしぐさどころか一般人がするしぐさでもない。
こんなところ同級生にでも見られたりしたらまずい、と椿野が冷や汗をかいていると
「あれ?鷹司さんと椿野さん?」
フラグをたたしたのが悪かったのか。
数人の同級生が地べたに這いずってる鷹司を見つめる。


