それ以上は言い返さず、細い人差し指と親指の間にタバコを挟んだ。
「椿野コンポレーションを敵に回すとまずいんじゃねぇのか?」
「………椿野?」
脱ぐ手を止め、鋭い目つきで連を振り返った。
射とめられた彼は気にせず同等の立場で話す。
「おぅ。あの『沙良様』に会えるんじゃね?」
由姫華はピクリと『沙良様』というキーワードに反応を示した。
「………『沙良様』?私と同じ敬称であいつを呼ばないでくれる?」
「こりゃ失礼『由姫華様』?」
彼はまいったというように両手を顔の横で上げた。
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