「なんで私ばっかりこんな目に………」 ペタリとドレスが汚れることも構わずへたり込む。 「お前にも直にわかる」 話についていけない輝樹の横で、享一郎は静かに目を閉じた。 「お前はすきすきと言いながらも、それは愛ではない。素晴らしいものを手に入れようとするだけの幼子だ」 「………意味分かんないわ」 「欲を捨てろ。それが鷹司グループのトップに立つ者の使命だ」 享一郎は吐き捨て、屋敷へと戻って行った。 この言葉を聞いていれば何かに感づいたのかもしれないが、今の由姫華は空っぽだった。