そして放課後。
リーンリーンリーンと一見変わったチャイムを背に、椿野と鷹司は一緒に下校していた。
「櫻子ー私、のど乾いたな~」
甘えるようにすり寄ってくる鷹司にやさしく微笑み
「いいよ。どっかで飲んで行きましょうか」
ここらあたりにある低価格かつ味がいいカフェといえば――――
椿野は脳内マップを広げ検索してるとそれを感知した鷹司は、目を瞬いた。
「カフェじゃないよ!自販機で飲もうよ!」
「………自動販売機?」
この学園内に自動販売機は少数しか存在しない。
ほとんどのお嬢様、おぼっちゃまはカフェテリアを利用するからだ。
「いやよそんなの」
椿野は素直に自分の思いを口にした。


