「由姫華様」
執事は素早く振り返り、低く頭を下げた。
「今日も麗しいですね………」
「そんなことどうだっていいのよ!」
聞いたらうれしくなるきまり文句をさえぎり、由姫華はふぅと息をつき心臓を落ち着けた。
この執事の前では情けないところを見られたくない。
いつも通りの冷静で平常心な由姫華を演じ、彼女はツンっと顎を上げた。
「あなた、私のそばにいると言ったわね」
はいそうです、という答えが返ってくるのかと思ったら、さっそくカイトは言葉に詰まった。
「はっはあ………そう申しましたか?」
「言ったわよ!あなたが忘れても私は覚えてるの!」


