由姫華は諦めなかった。
カイトは、ただ一人自分と仲良くしてくれた執事だからだ。
我儘で高飛車な由姫華よりも、他の明度や執事は明るく活発な沙良に惹かれた。
ポツンと取り残された由姫華を気にせず、話しかけてくれたのはカイトだった。
姉とも仲が良かったが、妹にも分け隔てなく接してくれた。
「カイトは………ずっと私といるって約束してくれたもん!」
「これは決定事項だ」
享一郎はここで、冷めた声をだした。
「そろそろ下がりなさい。ワシは仕事があるんでな」
「叔父様の馬鹿!私は死んでも反対だから!」
「由姫華………」
恐る恐る名を呼んだ沙良に、由姫華はきつく言い返した。
「うるさい!名前を呼ぶな!カイトは!?カイトはいいって言ったの!?」


