「………私はねぇ」 姉は小さな両手を握りしめた。 「私は、のんびり執事のカイトとおじい様と、由姫華とお父様と!楽しく一緒に暮らせたらいいよ!」 小学生のような答えに、妹、由姫華は失笑した。 だが享一郎は笑うことなく、真剣なまなざしで姉を貫いた。 「………そうか。わしの心はきまったよ」 窓のほうから椅子を正常の状態に戻し、享一郎は優雅に立ち上がった。 紳士らしい髭を人差し指で巻きながら、言い切った。 「沙良は、高校生から一人暮らしをしてもらう!」