「………あれ?言ってなかったっけ………」
「言ってもらってないわよ」
「う~ん………」
瞬きが多くなり、鷹司は辛そうに目をこじ開けた。
「でもなぁ………カイトに教えちゃだめだって言われてるから………」
「そっそんなに怪しい理由なの?」
ううん、鷹司は首を振る。
「最初は結構大きい家だと思ってたんだけど、手違えであんな家になっちゃったんだよね~」
「は?」
「仕送りは少ないし………テストでいい点取らないと貰えないし………」
「ちょっと!どういうこと………」
椿野が聞き返すと、帰ってきたのは幸せそうな寝息だった。
微妙に明かされたような秘密に、椿野は頭を悩ませた。
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