貧乏お嬢様と執事君!



「カイトの意思があれば、私の執事と交換してもいいって」


「わたくしにそのような意思はございません」


「そうでしょうね。今なら」


雪がちらほらふってきた。天から舞い降りるように純白の天使は地に吸い込まれていく。


そのような背景に、由姫華の笑みはよく似合っていた。


「今なら………?」


「また会いましょ?カイト」


意味深な冷たい微笑みを浮かべた由姫華は、すっとカイトの脇を通り過ぎて行った。


レンは数歩遅れてそれに続き、すれ違いざまにこうつぶやいた。


「あの女、なかなかいいじゃねぇか」


「………!?」


その言葉に振り返ってみると、レンは不敵な笑みを一瞬カイトに向け、由姫華の後を追って行っていた。


あの女とは由姫華を指すのか鷹司を指すのか、カイトには判断がつかなかった。