「で?考えてくれた?」
彼女は核心に迫ったような物言いをする。
「………何度も申したはずです。私は生涯お嬢様にお仕えすると」
カイトは意味もなく眼をつぶり、溜息を吐いた。
「ふられちまったなおい」
くつくつと不幸を笑うレンに、カイトは目を付けた。
「何ですかあなたは!自分の主君である由姫華様にそのような口調で!」
「あー?まじめだなおい。主君っつーかバイトだし?」
バイト感覚の執事が継承者の専属になれるはずがない。
ウソを見抜くような視線にレンは気づき、けっと短く息を出した。
「あんたの代りだよおれは。由姫華様の本来の執事であるあんたがこっちに戻ってくるってんなら、おれは即刻クビだぜ」
「………だから私は戻らないと」
「叔父様が言っていらしたわ」
由姫華が口をはさんだ。


