『………あっ』
『なに?妹の顔まで忘れちゃったのかしら?』
あざけるようにほくそ笑む由姫華に、鷹司は雲の隙間から出てきた日射しのようにぱぁっと顔を明るくした。
『由姫華だよね?久しぶり!メガネやめたの?』
由姫華は眼を見開いたまま硬直した。
まさか再開を歓迎されるとは夢にも思っていなかったのだろう。
仲が悪かった姉は、妹と同じように姉妹なかの険悪感を流すように続けた。
『髪も伸びたね!一瞬誰だか分からなくなったよ!』
『………うるさいわね!私になれなれしく話しかけないで!』
ぶちぎれた由姫華に、鷹司は首をかしげる。
『え?ごめん』
『………興ざめだわ。もう帰りましょうレン』
ため込んでいた数年分の悪意を露出させることをあきらめたようだ。


