思考にふけながら走っていたカイトは足をとめた。
大講堂の扉がいましがた開かれたところだった。
出てきたのは赤いドレスを着服した美しい女性と、それに従う赤髪の執事。
一瞬誰だ、と思ったが見覚えのある顔にカイトは驚きを広げた。
「ゆっ由姫華さま………!」
「あ………あらカイトじゃない!」
ぱっと仏頂面だった由姫華は花を咲かせた。
ほんのりリンゴ頬にしながら、彼女はカイトに詰め寄った。
「久しぶりね。よりかっこよくなったんじゃないの?」
「はっはあ。恐縮でございます」
昔と違って性格が柔らかくなったようだ。
鋭さを保った瞳が珍しく緩められているのを見て、レンはほぅと息をついた。
こいつがカイトか、としげしげと自分と同じ高さにある童顔を品定めする。
大人の魅力が欠けているが、それはそれで愛されキャラとしていけそうだ。


