お嬢様の妹君、由姫華がいたのだ。
もともとは人に笑顔を見せない由姫華は、なぜか沙良のことを毛嫌いにしていた。
分からないが、由姫華さまには由姫華さまの思いがあるのだ。
カイトはそう考え、あまり鷹司と由姫華を近づけないように気を配った。
鷹司には愛してくれる父親がいる。
だったら自分は由姫華さまにお仕えするのが妥当な判断ではないのか。
若かりし頃のカイトは由姫華様にしっかりとお仕えした。
だが、それが過ちの第一歩だったのだ。
一時期、由姫華はカイトに依存を起こしていた。
カイト以外の誰とも話さず近寄らずそばから離れず。
無責任にも、永遠にそばにいるとなどホラをふいてしまった。
自分は鷹司に仕えたい、とは言えずに。


