だらけたさっきまでの態度とは打って変わった仕草だった。
井筒と椿野、そしていつの間にか静まり返った観客たちの視線は、レンと由姫華に集められた。
「………ほんと?レンは離れない?」
「あー………っおう」
間を伸ばし、返事をしたレンに満足そうにうなずき由姫華はまた偉そうに腰に手を当てた。
「まぁ下民のいったことだから許すわ。妬まれるのも美人社長の役目だしね」
椿野は呆れを通り越して無表情になった。
井筒は自分を中心に世界が回っていると勘違いしてるお嬢様を、憐みの視線で射抜いた。
変な沈黙が会場を閉めた時、
ぎぃっと大扉が開かれた。


