「あっ跡取り!?」
普通昔からのお約束で会社は長男、または長女が継ぐことになっている。
古い考えだ、と言われようが暗黙のルールに逆らうのは気が引ける。
今時は歳に関係なく、実力と頭脳で決めているところもあるが、鷹司グループがそれだったとしてもぶっちぎりの成績に、整った美貌を持っている長女、沙良が選ばれぬはずがない。
なのに、なぜ?
井筒は鷹司とよく似ている、目の前の黒髪の少女を見つめた。
よく似ているはいるが、やはり贔屓目から見ても鷹司のほうが美しい。
「………どういうこと?なんで姉の沙良が継がないの?」
椿野も同等のことを考えたらしい。
的を得た質問を待ってた、と言わんばかりに由姫華は瞳を輝かせた。
「それはね、わたしのほうが綺麗で性格がよくて頭がいいからよ!」
堂々と自画自賛する由姫華に、井筒は呆れた顔を見せた。


