貧乏お嬢様と執事君!



「本日はお招きいただきありがとうございますわ椿野家のご令嬢様」


ところどころに嫌味を含んだ言葉に、椿野は顔を引き締めた。


女性は赤いドレスに身を包んでいた。真っ白な肌によく映えている。


赤い唇をさらに真っ赤に塗りつぶした口で、妖艶にほほえんだ。


「今日も相変わらず麗しいですわね椿野様」


この女性に言われると自信がつく。


「いえ。どうか楽しんでいってください」


椿野は緊張と理解不能のはざまで揺れ動いていた。


「………あっあのお名前を聞いてもよろしいですか?」


どぎまぎしながら井筒は問うた。


女性は椿野から鋭い眼を移し、井筒のつま先から頭まで眺めまわした。


「………あなたは井筒家の?お会いできて光栄ですわ」