そんな彼がやってきたのは木々に雪が積もった裏庭。
ここからだと大講堂がよく見える。
持参した双眼鏡を手に、カイトは田舎少年のような身軽さで木に登った。
ほぼ音をたてず登り切り、カイトは双眼鏡をセットした。
視界が狭くなり、奥行きまで見える。
ちょっとテンションが上がり、カイトは目的を忘れつつあった。
前家に来たストーカーの井筒と椿野がじゃれあっているのを発見した。
詳しく言えばじゃれあうというか殺しあってる風景だが、カイトの目には犬猫のようにしか見えなかった。
微笑ましい思いを持ち、椿野のあたりに双眼鏡を動かす。
鷹司はまだいないらしい。
今、椿野が井筒の足を思いっきり踏みつけたが、カイトは必至でお嬢様の姿を探した。


