個性それぞれに着飾ったドレスやスーツが混ざり合い、目を刺激する。
大量の料理を囲みながら談笑するご婦人たちの中で、もっとも椿野家と関わりが深い者たちを探し、後であいさつをしようと考える。
――――やはりサンドウの桟道さんは真っ先に行くべきよね。貿易をメインとしてる正井さんももちろんのこと――――
「………の!椿野君!」
「何うるさいわね。次は顔を踏みつけるわよ」
思考を中断された椿野は不機嫌そうに言い放つ。
しかし井筒の視線は、二つある出入り口で椿野家につながっているドアに向けられていた。
自然と椿野も目を寄せた。
「………あれは、誰だい?」
井筒はきょとんと目を落とした。


