「………まだかい!鷹司さんは!」
ストライプの派手なタキシードを意外に着こなしてる井筒は、いらいらと爪を噛んだ。
「うるさいわね」
その隣で、ドレスアップを済ませた椿野が無表情で叱る。
「貴方が朝早くから押しかけてくるから待ち時間が長いのよ」
開始時間の3時間前に到着していた井筒を思い浮かべ、顔をしかめた。
「待ち切れなかったのさ!鷹司さんの倍美しくなった姿が見られるというのがね!」
カイトが聞いていたら激怒しそうなせりふを大声で吐き、参加者の視線を集めた。
それらにあいまいにほほ笑みつつ、椿野は井筒の靴をハイヒールで思いっきり踏みつぶした。
「ふがっ」
ぐりぐりとおまけで捻じられ足を抑えて飛び上がる井筒から目を離し、椿野は会場内を見渡した。


