椿野家の屋敷はフランス貴族思わせる西洋式だった。
数キロはある道をリムジンに乗り揺られ続けた。
車が得意ではない鷹司は、必死で吐き気を抑え窓の外の新鮮な空気に肌を凍らせている。
椿野は心配そうにときどき見つめていたが、鷹司は知らぬまま。
5メートル強はある玄関をくぐり、大量の執事とメイドに迎えられた。
「おかえりなさいませお嬢様」
「今帰ったわ。この子をドレスアップさせてちょうだい」
高飛車に言い放ち、椿野は背に隠れていた鷹司をつきだした。
「まあ!なんて可愛らしいお嬢様でしょうか!」
あながちお世辞でもなさそうにメイドは声を上げた。


