貧乏お嬢様と執事君!



それに、と椿野はチャラ男に告白された時のような顔をした。


「不本意だけどあなたの家のも誘ってあるわ」


「なんだい。それならそうと早く言えばいいものを」


コロリと態度を変えた井筒は、後頭部で腕を組んだ。


「井筒君も来るの?楽しみだね」


「たっ楽しみにしておいてくれるのかい!」


裏のない笑顔に、勘違いした井筒はあたりに薔薇を散らした。


椿野が無言で、紅薔薇を引きちぎり粉々に咲いていたことを、有頂天にいる井筒は気がつかなかった。