貧乏お嬢様と執事君!



「はっはい!」


笑顔の迫力に押され、井筒は敬語で首をぶんぶんと振った。


カイトは満足そうにまた微笑み、すっと音もなく伊豆から距離をとった。


「そういうことなので。また遊びに来てください」


人の良さそうにお辞儀し、来た道を帰って行った。


「あっ遊びに来てくださいだって………?」


井筒は腰を抜かしながら、自分に言った。


「………これからは学園内でのアプローチにしとこう」


さびしげに井筒は決心した。