勢い込む井筒の肩に手がおかれた。
完全に不意打ちを食らった井筒は口から一メートルほど飛ばした心臓を、口の中に押し込みながら
「ななっなんだい君は」
「すっすみません………そんなに驚かれるとは」
肩に置かれた手がどいた。
ドキドキしながら振り返ると、カイトが腰が曲がってしまったようにお辞儀をしていた。
「何だい君は」
井筒は知り合いと分かれば気を抜いた。
「どうしたんだい?僕が忘れ物でもしたのかな?」
冗談で言ってみると本当にありそうになってきた。
ポケットをまさぐりながらチェックをしている井筒に、ふんわりカイトは微笑みかける。
「いえ。いうべき言葉を言い忘れて」


