「それじゃあなんかごめんね色々」
「あっいや。煎餅、ごちそうさま」
「うん。また遊びに行こうね」
恋人に笑いかけるように鷹司は微笑んだ。
ドキドキしながら井筒は控えめに手を振って、今にも崩れそうな家から避難した。
すぐそこの曲がり角を曲がると、自分の額に手を当てた。
「………全部夢?」
そこまで疑い深くなるほど信じられなかったのだ。
「いやいやおかしいぞ。確かに僕はせんべいを食べた。湿気たのを。ということはあれ全部本当………?」
ガラガラガラと積み上げてきたブロックが崩壊しそうになったが、何とか食い止める。


